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広告とマーケティングの四方山話です

僕は珈琲

片岡義男の新作だ。珈琲にまつわる話をまとめた一冊だ。正確には2冊目になる。それは行きつけの喫茶店の思い出であり、珈琲を挟んで話した人との会話であり、マグカップのデザインについてであり、珈琲を飲むシーンが出てくる映画の話であり、ガテマラ珈琲の話などだ。読んでいると本当に珈琲が飲みたくなってくる。できれば、昔ながらの喫茶店で、注文をとってからじっくりと入れてくれる濃いめの珈琲を、ソーサーとセットになったカップで飲みたい。そう思いながら、この本を最後の部分を、神保町の喫茶店のカウンターで読み終えた。なかなかいい体験だった。

そういえば、以前よりも喫茶店に行くことが少なくなった。それは人に会わなくなったということかもしれない。仕事で会う人とは、先方のオフィスに伺うかリモートで話すようになったからか。それでも、喫茶店で本を読みながら珈琲を飲む、あるいは珈琲を飲みながら本を読むのはとてもいいと改めて思い出させてくれた。こういう時間がなくなると、何かが確実に失われているのだと気がついた。こんどはいつ喫茶店に行こうか。

僕は珈琲