テレビを時々観ると、たまにいいCMに出会う。
TOYOTAのCMで、武とキムタクが秀吉と信長の生まれ変わりとして登場する。
最新作では、ひょっこりひっょうたん島が出てきて驚いた。
あの人形には、懐かしいモチーフというだけではない、人間味がある。
人間世界の話と、おとぎ話の世界がつながっている感じがする。
それって、TOYOTAのCMと一緒というか、めざしている世界だと感じる。
このCMに明解なボトムラインはない。
よい「読後感」がある。気持ちがふっと前向きになる。
CMの短い時間の中に、ハードセリングのメッセージを詰め込んで
うまくいく商材もあるけれど、万能な作法ではない。
それよりも、感情の水面に、小さな波紋を立てることを考えた方が
心の奥まで響くのではないだろうか。余韻が続くのではないだろうか。
「わかっちゃいるさ」「クライアントの好みで」そういう声があるのは
よく知っている。私もそういうことを口にした事があるから。
でもね、ぐるっと回って、そもそも、CMって何をするためのもの?とか
それで、結局何を得られるの?って考えたら、
改めて、いいCMを作る才能はすばらしいと思う。
何が大切か、忘れなかったから。そのために説得をして回ったから。
スタッフが笑顔で、すくなくとも納得して、仕事できるように
努力をし続けたから。それだけが、いいCMを作る方法だからね。
そうしたことができる人が、いるんだよ、大勢ではないけれど。
その才能には敬意を表したい。がんばってほしい。
応援しています。